甲信越の古寺名刹の特色

福井県の古寺名刹:永平寺

福井県吉田郡永平寺町にある
曹洞宗の永平寺。
画像はWikipediaより。

甲信越地方のお寺の特色として、戦国武将にゆかりのあるお寺が多く残っていることがあげられるのではないでしょうか。
山梨の武田信玄、長野の真田幸村や信濃村上氏、新潟の上杉謙信や直江兼次などなど、有名な武将の名前が残っている古寺・名刹があります。

当時の武将には、それぞれ縁の深いお寺が必ずひとつ以上ありました。
明日首をとられてしまうかも知れないという状況におかれた、緊迫感とプライドを垣間見ることができます。
また当時の僧侶は全て仏教という「学問」を修めた文化人だったので、悩み事の相談から書や漢詩、和歌、音楽などの先生としても多くの武将がお坊さんのお世話になっていました。

余談ですが仏教はもともと哲学をメインとした学問であり、今のようにいち宗教とされているのはそれを教義とする宗派が発生してからの話です。
当時の武将たちの信仰心が篤かったのもありますが、恩師がいたり、先祖代々お世話になってきたお寺だったりで大事にしていた面は確実にあるといえるでしょう。

越前福井の永平寺や長野県別所温泉の安楽寺、山梨県の恵林寺など禅宗のお寺が比較的多いようですが、こちらも当時最先端の学問だったからかもしれません。
禅宗はストイックな修行などを通じて、まず自分自身を悟りに導き、ほかの人が悟りに向かうよう生きるタイプの宗派です。
例えば善行して南無阿弥陀仏と唱えるだけで浄土へいける大乗仏教や、今もまじないに近い儀式が残っている天台・真言宗と比べると現実的な側面があるといえるでしょう。

武将が遺した書物やお墓が残っているお寺もあり、歴史好きの方の参拝は近年また増えているようです。
入り口がドラマやアニメ、ゲームであっても熱心に武将の足跡をたどられること自体は、ただのお寺マニアとしても大歓迎です。
ただし大人数で騒いだり、例えば許可を取らずにコスプレ撮影会などをされると一般の参拝客が行きづらくなってしまいますから、できれば各お寺に可能かどうか問い合わせてからがオススメですよ。

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