関西は古都京都に有名な古寺・名刹が多いため、観光で訪れたり、修学旅行で来られたりといった機会も多いものです。
しかし関西のお寺は京都だけではありません。
真言宗の総本山、高野山金剛峰寺も和歌山県で関西ですし、滋賀県の比叡山延暦寺も天台宗の総本山です。
全国の国分寺の総本山は奈良の東大寺と法華寺です。奈良には日本最古のお寺である飛鳥寺や、世界中に現存する木造建築で最も旧いと言われている法隆寺もあります。
遣隋使や遣唐使が奈良・京都から出発し、大陸で学んできた仏教をはじめとする知識や技術をもって帰ってくるのも当時の都でしたから、自然と昔首都だったところには当時の最先端技術が伝わっています。
高野山や比叡山など、都から離れた山奥に有名なお寺があるのは、権力争いなどの俗な事柄に信仰が汚されないように、また当時の仏教は男性の僧が女性と同じ部屋にいることすら許されていなかったので簡単に在家の女性が来ないようにという二つのメリットがあるためです。
また京都のお寺と聞けば多くの方が思い浮かべる「清水寺」や「東寺」以外にも、調べればドラマチックなエピソードが残る古寺、名刹はたくさんあります。
例えば六道珍皇寺は小野篁が地獄まで井戸で降り、閻魔大王と共に罪人の裁きを行ったと言われていますし、あだしの念仏寺は弘法大師空海が野ざらしになっていた遺体を葬ってあげたのが始まりと言われています。
実は大阪にも、飛鳥・奈良時代に開山した古寺・名刹があります。
四天王寺や勝尾寺など、こちらもエピソードが今も語り継がれているお寺が多いようですね。
有名な僧だけでなく、天皇から武家、庶民までいろいろな人たちが関わり合い、現代に残している関西のお寺にでかけてみましょう。
教科書だけではわからなかった歴史上の人物たちのつながりがわかることもありますよ。