東北の古寺名刹の特色

東北の古寺名刹:蕪嶋神社

ウミネコの繁殖地として
天然記念物に指定された
蕪島の蕪嶋神社
(お寺ではなく神社)

東北には飛鳥時代以前から今も続いている山岳信仰や、平安時代より前から伝わる修験道の聖地がいくつか存在します。
この修験道という宗教は密教系の仏教の特長と、日本古来のアニミズム信仰(森羅万象に神様がいる)の性格を両方持ち、今も行者が山々で修行されています。

東北でも北部のほうはアイヌや、いわゆるまつろわぬ民が住んでいたこともあり、恐山をはじめとして宗教観や建物などはかなり独特のものになっています。

東北中部では天台宗の円仁(慈覚大師)が創建したと伝えられる平安初期からのお寺が多いようですね。
東北の有力者である奥州藤原氏や伊達政宗の家系が途絶えかけたお寺を守ったというケースもいくつか伝えられています。

東北南部はほぼ会津藩の領地という認識ですが、まだ物理的に江戸に近いことや、豊富な資源によって古くから伝わるお寺がたくさん残されています。
平安時代初期に活躍した徳一という名前のお坊さんが建てた「慧日寺」は、会津地方のみならず東北で一番古いといわれているお寺です。

面白いのが、この徳一というお坊さんは奈良(南都)の法相宗出身なのに、伝教大師最澄に著書で侮蔑されていたり、弘法大師じきじきに密教を東北へ広めて欲しいといわれたのを断ったという記録が残っています。
どちらも徳一から見れば奈良の後輩にあたるかもしれないので、大学に例えれば同じ学校のOB同士の口げんかのようなイメージでしょう。
実は日本仏教界の二大スターである最澄と空海も仲が良いとはいいにくい関係なので、どちらの味方にもならずわが道を突き進んだ珍しい僧侶だったのではないかと思います。

古刹・名刹が多いみちのく、東北のお寺参りも、時代背景や歴史の知識があるとただ見に行くより楽しめるのではないでしょうか。

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