九州の古寺名刹

九州のお寺の特色としては、大陸に近いため中国風のお寺などがたくさんあることがあげられると思います。

福岡県太宰府には、日本で最古の梵鐘が現存している観世音寺があります。
こちらは完成が746年、奈良時代の創建です。
失明してまで唐から日本に帰化した僧・鑑真によって戒壇院(弟子を取るときの儀式をする施設)が設けられました。
この観世音寺には、遣唐使として入唐し、20年ほど向こうにいなければならなかったはずが2年程度で帰国した弘法大師・空海が朝廷の許しを得て京へ戻るまでまた2年ほど足止めされていたそうです。
福岡の油山観音・正覚寺は現在は臨済宗ですが、729年から749年の間にインドから来日した僧・清賀が白椿の木で千手観音を彫った場所が始まりだそうです。
清賀が椿油の採り方を伝えたため「油山」と呼ばれているそうです。
世界で一番大きなブロンズ像である寝大仏がある南蔵院も福岡の糟屋郡ですね。

長崎のお寺は軒がくるんと上を向いている唐寺様式のお寺が残っています。
1620年開創の興福寺、1629年開創の崇福寺、1677年開創の聖福寺などが代表的です。
弾圧されたキリシタンが投げ込まれ、今も幽霊が出るといわれる本蓮寺の南蛮幽霊井戸や、長崎原爆犠牲者の異例のために立てられた大観音像が美しい福済寺など、長崎の歴史が垣間見えるお寺も多いですね。

大分には大化元年645年にインドから来日した僧・法道が修行した洞窟に建てられたといわれる羅漢寺があります。
3700体もの石像が並んでいるそうで、願いや悩みを「すくう」ことからしゃもじの奉納寺院としても有名です。
日本三阿弥陀仏堂にして九州いち古い建造物である富貴寺も大分です。国宝の阿弥陀堂は是非一度見てみたいですね。
大分県の天草にはキリシタンが仏教に改宗するよう、取締りや戸籍の確認などを行っていた古寺が今も残っています。
東向寺・国照寺・崇円寺・円性寺の4つは「天草四ヶ本寺」と呼ばれて特に仏教普及に強く乗り出していたそうです。

宮崎県には最澄が開いたとされる名刹、萬福寺があります。
このあたりは犬熊という地名ですが、日本神話に登場するホオリノミコト(山幸彦)が熊に襲われそうになったときに吼えた犬をうるさいといって殺してしまい、その後襲ってきた熊も殺してどちらも弔ってやったのだというなんとも言いがたい伝説が残っています。
同じく最澄が開基と伝わる薬師寺も日本三大薬師と名高く、平安時代の女流歌人和泉式部が難病にかかったときに平癒祈願をして見事に完治したといわれています。

鹿児島県は廃仏毀釈が盛んだったため古寺名刹がほとんど残っていないそうですが、これも日本の歴史のひとつですね。

神話の時代から近代史まで歴史が感じられる九州のお寺もたくさん見てみたいものです。

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